奈良で大正ロマン、静かな日本庭園「吉城園」

奈良公園

こんにちは、こまです。

以前投稿した、赤とんぼカフェ。

店主のクリスさんに教えていただいた奈良の隠れスポット、「吉城園よしきえん」に行ってみましたのでご紹介します。

こんな方におすすめ

  • 日本の和や侘び寂びを楽しみたい
  • 心静かに癒されたい
  • 非日常な写真を撮りたい。

奈良観光で訪れたい、ひっそりとした異空間

奈良の魅力はなんといっても、天平時代に作られた神社仏閣が、なるべくそのままの形で鑑賞できること。

有名な寺社は観光客や、修学旅行の学生で溢れかえっています。活気がある町も楽しいけれとど、ゆったり過ごしたい時もありますよね。

この場所は自分が何者でどの時代に生きているのか、どのくらい時間が経ったのかを忘れるような、異世界でした。

近鉄奈良駅から奈良公園に向かうべく、大宮通りを真っ直ぐ歩きます。

県庁を通り過ぎ、奈良国立博物館が近くなる頃には人通りも多くなり、いかにも観光地と行ったところです。

鹿にどれだけお辞儀をされ、礼儀正しくせんべいをせがまれても、心を鬼にして通りすぎます。あとでねー・・・

そして、スタバのもう一つ向こうの角を曲がると、土壁の通りへ。

なんだか公園内とは全然違った、背筋がピンと張り詰めるような空気感になりました。

誰でも入ることができます

入り口の門を越えると・・・So Quiett

クリスさん曰く、「So Quiett」

閑静さが何より美しさを際立たせる異空間。さて、どんなものか。

真っ直ぐに伸びる竹を通り抜けると、立派なお庭が目の前に広がります。

なるほど、これは「So Quiett」

ここは本当に奈良なんだろうか、と。

栄華を誇った天平文化とはどこか遠い、侘び寂びを彷彿とさせる空間はなんなんでしょう。

かえでや竹、さまざまな植物が我がもの顔で堂々と存在する。私こそがこの庭であると言わんばかりに。自然の息吹を肌で、全身で感じるような壮大感。

大小の石や、自然の色味、曲線美。それらを楽しむために造られた茶室。

人の匠と自然が一体となって初めて、吉城園となる、そんな空間です。

縁側に、大正ロマンを感じる

「興福寺古絵図」によると同寺の子院の摩尼珠院(まにしゅいん)があったところとされています。

明治時代に民間所有となり、大正8年に現在のお庭の姿になったそうです。

ガラスに映る景色をよく見てください。そっくりそのまま映っておらず、静かに波打って揺らいでいるように見えます。(実物は、少し斜めから覗いてみてください)

これが手打ちガラス。

1907年に旭硝子(株)が設立され、「手吹き円筒法」といった方法で作るのが主流だったそうです。

ガラスを吹き竿に巻き取って息を吹き込んで筒を作り、上下を切り取って、再加熱して延盤の上で平にするのだとか。

一枚一枚、丁寧に作られるその手法は、同時代の建物で大阪にある「太閤園」でも見られました。

藤田伝三郎男爵の邸宅内にある紹鴎の間のガラスも同じ手打ちガラスでできており、当時の職人の技が日本庭園の四季の彩りに華を添えていました。

その後イギリスで、フロート法というガラス製作方法が開発されてからというものの、手吹き円筒法の技術をもった職人も減ってしまい、この手打ちガラスは廃れてしまったそうです。

この吉城園では、今でも手打ちガラスの波打ち際から、明治大正の情景を垣間見ることができます。

お茶室では耳を澄ませて

手水舎に目を移すと、かわいい訪問者が。その美しい装いから、今日のお茶会の主客でしょうか。

足を止めて、耳を澄ますと竹の鳴る音が聞こえる。ししおどしから流れる水音も鳥の声も。私の息すら静かに緑に飲み込まれ、調和していきます。

質素な茶室では、四季折々の自然に、野鳥、時間の移ろいなど、この世のありとあらゆるものが一体となって存在する・・・今日立ち寄った私も、教えてくれたクリスさんも。

あらゆる出来事、あらゆる存在、全てが融和し認められ、茶室の中では無に帰す・・・そんな小さな宇宙が、ここにはありました。

もうここには在るだけ。

アクセス

一味違う奈良を味わいたいなら、ぜひ吉城園へ!

  • 開園時間  9:00~17:00(ただし、入園は16:30まで) 
  • 開園期間  4月1日~2月23日、3月1日~3月31日(2月24日~2月28日は休園)
  • 入園料   無料 

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